
1899年、農家出身の蟹江一太郎氏が当時まだ日本ではなじみのなかった西洋野菜のトマト栽培にトライし、後にトマトの加工にも取り組んだのが、カゴメのルーツだ。以来、125年の歴史を刻んできたカゴメは2025年のありたい姿として「トマトの会社から野菜の会社に」を掲げ、すでに次のステージも見据えているという。カゴメの現在地から今後の進化の展望まで、山口聡社長に話を聞いた。
1933年発売の「カゴメトマトジュース」が今なお人気のワケ
──主力商品である「カゴメトマトジュース」の販売が好調です。最初の発売が1933年と、すでに90年以上の歴史を持つロングセラー商品ですが、ここへきて、より消費者の支持が上がっている理由は何だと思いますか。

山口聡氏(以下敬称略) カゴメトマトジュースは2022年、2023年と出荷量が過去最高を更新しています。善玉コレステロールを増やす(リコピン)、高めの血圧を下げる(GABA)という機能性表示食品としての認知度が上がり、中高年の男性を中心とした健康関心層の購入が増えたことが1つの理由だと考えています。
それに加え、SNSを中心に、トマトに含まれているリコピンと美容・健康に関する話題が増え、比較的若い女性の方を中心とした美容関心層にもお買い求めいただいていることが好調の要因となっています。
──トマトジュースで使うトマトは海外産が多くを占めているそうですね。