1879年に日本初の保険会社として東京海上保険会社を設立したルーツを持つ東京海上ホールディングス。先の見えない変化や想定外の出来事が起こる今日、海上保険からスタートした同社はパーパスの実現を通して、いかなる存在であり続けようとしているのか。岡田健司専務取締役に聞いた。
パーパスを基点に社会課題の解決に貢献し続けてきた
――東京海上グループのパーパスについてお話しください。
岡田健司氏(以下、敬称略) 東京海上グループのパーパスは、「お客様や地域社会の“いざ”をお守りすること」です。これは、1879年に日本初の保険会社として東京海上保険会社を設立以来、多少の表現の変化はありますが、基本的には変わっておりません。昨今、世間ではESGやSDGsという言葉が語られていますが、そうした言葉が存在しなかった頃から、当社はこのパーパスを基点として時代ごとに社会課題の解決に貢献し、持続的な成長を実現してきました。
――どのような社会課題の解決に取り組まれてきたのでしょう。
岡田 創業当時、当社は海上保険を通じて貿易の積荷を海難事故からお守りするという面から、日本経済の発展に貢献してきました。1914年には、戦後のモータリゼーションを支えた日本初の自動車保険を発売しました。近年はサイバー攻撃が増加していますが、そうした被害に対するサイバーリスク保険や洋上風力、太陽光発電といった再生可能なエネルギーの普及・促進を後押しするような保険など、社会課題の解決に資する商品やサービスを提供してきました。当社のような損害保険業は、事業そのものが社会課題の解決につながりますので、それを使命として社員一丸となり、事業に取り組んでいます。
当社では「Look beyond profit」という言葉の通り、事業の目的は利益のその先にあるものだと考えています。従って、創業以来のパーパスを起点としてより拡大・複雑化する社会課題を解決し、社会的価値と経済的価値を同時に高めながら、100年先も成長し続ける企業でありたいと思っています。