「『安心・安全・健康のテーマパーク』により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する。そのために当社が提供できる価値を、『社会が直面する未来のリスクから人々を守る』『健康で笑顔あふれる未来社会を創る』『多様性ある人材やつながりにより、未来社会を変える力を育む』の3つとし、それらも含めて当社のパーパスとしました」。こう語るのはSOMPOホールディングスの下川 亮子さん。SOMPOホールディングスは「パーパス経営」でどう変わろうとしているのか。変革の取り組みと課題、目指す先を下川さんに聞きました(インタビュー・構成/林桃)

――SOMPOホールディングスのパーパスを教えてください。

下川亮子氏(以下敬称略) SOMPOホールディングスの中で、半分以上の利益を占めているのが国内の損害保険です。ですが、近年は海外保険や国内生命保険、介護・シニア、デジタルなどにも領域を拡大しており、ユニークな事業ポートフォリオを持つ企業になっています。事業内容が多岐にわたる中で、当社グループの目指す姿が「安心・安全・健康のテーマパーク」です。その実現に向けて、ソリューションプロバイダーとなり、さまざまな社会課題に取り組んでいくことを経営理念として掲げてきました。

 2021年、中期経営計画設定の際に課題となったのが、50年先、100年先にも当社がグループとして存続するためには、どういった志を持つべきかということでした。当然、当社が全ての社会課題を解決することは不可能ですから、当社グループが向き合う社会課題を「ニューノーマル」「少子高齢化」に見定め、そこから当社が目指すパーパスを設定しました。

 「安心・安全・健康のテーマパーク」により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する。そのために当社が提供できる価値を、「社会が直面する未来のリスクから人々を守る」「健康で笑顔あふれる未来社会を創る」「多様性ある人材やつながりにより、未来社会を変える力を育む」の3つとし、それらも含めて当社のパーパスとしました。

下川 亮子/SOMPOホールディングス グループCSuO(Chief Sustainability Officer) 執行役
東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券にてアドバイザリー業務、不動産投資に従事したのち、投資会社カーライル・グループの日本拠点創設メンバーとしてバイアウト投資および複数投資先企業の企業価値向上に携わる。その後、日本マクドナルドにて経営戦略や店舗開発に加え、上席部長として新規事業開発・展開を牽引。2016年にSOMPOひまわり生命に入社、執行役員人財開発部長として人事制度改革や働き方改革、健康経営の推進を主導。また2020年には特命部長としてSOMPOホールディングス ヘルスケア事業開発部の立ち上げにも携わる。2021年8月にサステナビリティ領域の最高責任者であるグループCSuOに就任し、グループのESGの取り組みを主導するとともに、MYパーパスを原動力にしたカルチャー変革やグループ全体でのSOMPOのパーパス経営の推進、およびこれらの取り組みの対外発信等を通じたブランド価値向上をミッションに企業価値の向上に取り組んでいる。

――そのパーパスのもとで、御社の強みをどのように生かしていこうと考えていらっしゃいますか。

下川 当社の強みは、まず創業以来130年の歴史を通じた信頼と責任です。2つ目は、損害保険はあらゆるものが対象になるため、パートナーとなる企業の業種の広さです。また、近年いろいろなところで、SDGsの取り組みの積極的な開示が求められていますが、当社は1992年に「地球環境室」を設置し、かなり早い時期から取り組みを行い、開示も実施しています。また、国内外問わずいろいろなNPO・NGOの皆さまと幅広く仕事をしてきたので、事業・人材・ネットワークの多様性も強みであると自負しています。

 もともと保険会社というのは、どのようにリスク回避をするか、あるいはリスクが起きたときにどうするかといった課題と常に向き合っているので、課題解決力の高さも当社の強みの一つではないかと思います。

 以上の3つの強みを生かして、先ほど申し上げたニューノーマルと少子高齢化という社会課題解決に対して解を提供していきたいと考えています。