(4) ぶれない改善が続く生産の仕組み

 製造業における生産管理で重要な3点をQCD(品質、コスト、納期)と呼ぶ。例えば、その中の品質において、製造現場には「品質管理工程表」と呼ばれる、各工程でどのような品質を守り、どのように管理するかを明文化した資料がある。

 この内容が現場で理解されていない、理解していても実行できていないケースが少なくない。点検票などの帳票も現場のスタッフが面倒で記入しなくなったり、現物を見てもいないのに全部まとめて記入したり、担当者が代わったのに引き継がれていない、また誤った方法で検査がされている場合もある。

 品質一つをとってもこのような実態があり、これらの解決のためには人材育成だけでなく、管理者や作業者に極力依存しない仕組みづくりが欠かせない。

 仕組みとは、調達や製造、生産管理など製造拠点におけるあらゆる作業が対象になる。これらを属人化させず、ヒューマンエラーの入り込む余地を極力排除した方法に設計し、それを明文化し定着化を図りたい。

 また、不具合が発生したら次に進まないような工夫を埋め込むことも重要となる。この「(4)生産の仕組み」を営業の仕組みと読み替えれば、商社やメーカーの営業拠点に向けた5つ目の必須項目とも捉えることができる。