不動産の種類ごとに特徴がある

 Jリートは投資対象(投資する不動産の用途)ごとに分類されています。主な分類は「オフィス」「住居」「商業施設」「ホテル」「物流施設」と、その複合型や用途を限定しない総合型などで、それぞれに特徴があります。

「オフィス」は他の投資対象と比べて賃貸借契約の期間が短く、景気動向の影響を受けやすい傾向があります。「住居」は他用途の資産と比べて賃料が安定的なことから、景気変動や不動産市況の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄といわれています。

「商業施設」(ショッピングセンターなど)や「ホテル」は管理運営にノウハウや専門性が求められるため、その巧拙で収益が変動する特徴をもっています。また、変動賃料制を採用している場合は景気変動などによっても収益が変動します。

 オンラインストアの台頭などによって需要が高まっている「物流施設」は、テナントと長期固定の賃貸借契約を締結しているケースが多く、収益が安定している傾向にあります

 どのJリートがどの分類に属するのかは、東証のウェブサイト(https://www.jpx.co.jp/equities/products/reits/issues/)を見ても明確には書いてありません。それぞれのJリートの資料やサイトで確認するしかないようです。

Jリートに投資する投信で複利効果を期待

 Jリートは分配金利回りが魅力のひとつであり、ほとんどが年2回の決算。すべての利益を決算期に分配金として投資家に還元するので、複利効果を得るには決算ごとに自分で再投資する必要があります。当然のことながら分配金には税金もかかってきます。それを避けたい投資家は、「Jリートに投資する投資信託」を活用するのがよいでしょう。

 投資信託の基準価額にあたる「投資口価格」は最安で数万円程度で、1万円程度から投資できる一般の投信より高めです。とはいえ、数万円から不動産市場に投資できるのは、現物の不動産を売買することに比べればかなり手軽。前述の東証ウェブサイトで各Jリートを一覧できます。そこから各投資法人のサイトにリンクが張ってあり、商品の詳細を確認できます。

 すでにおわかりのように、国内の不動産を主な投資対象とするJリートは内需志向の投資商品です。あるJリート調査会社の代表は「上場商品なので海外を含む他市場の価格変動に影響を受けることもあります。つられて価格が急落することはありますが、いずれ戻ることが多いです。価格低下が起こっても、慌てて売らないことが大事です」と語っています。今回の株価下落は、分散効果と分配金利回りを期待した“第3の投資対象”としてJリートを検討するよい機会になったかもしれません。