「結局のところね・・・」。あるフィナンシャルプランナー(FP)が取材後のオフレコとして、言い足りないことを補足するかのように話し出しました。

「個人投資家の資産運用に役立つ金融商品って、金融機関が薦めない商品なんですよ。金融機関はどうしても会社の収益を横目に提案せざるを得ません。お客さまも会社も両方儲かる商品なんて、事前にわかりませんしね」。

 もう10年くらい前のことだから書いてもいいでしょう。彼は金融機関OBだけに言葉に説得力があったし、筆者の感覚とも合っていました。当時は投資信託の毎月分配型が全盛で、ハイイールド債券だけでなくエマージング債券に投資する投信も人気でした。高金利通貨に投資する通貨選択型も急速に資金を集めていました。

 FPの言葉の真偽はさておき、「投信が複雑になったな」と感じたことは間違いありませんでした・・・。

大きな特徴は透明性と低コスト

 金融機関OBであるFPの言葉は本当なのでしょうか。その問いにいま答えるとしたら、こうなります。

「金融機関が薦める金融商品のなかにも役立つものはある。しかし、薦めない限り個人投資家には伝わりづらい」。つまり、いい金融商品なのに、あまり広がっていないものが存在するということです。その好例がETF(上場投資信託)でしょう。