ETFはExchange Traded Fundsの頭文字で、日経平均株価(日経225)や東証株価指数(TOPIX)など、さまざまな指数に連動することを目指して運用される投資信託。それぞれが東京証券取引所などに上場していることから透明性が高く、取引所の取引時間内で個別株式と同様に売買することができます。2018年8月22日現在、東証には223本のETFが上場しています。

 ETFは、「金融商品のなかで20世紀最大の発明の一つ」と呼ばれています。その大きな理由が、前述の透明性の高さと運用コストの低さ。すべてのETFは一般に、保有しているすべての銘柄を毎日開示しています。また、商品性が似ているといわれるインデックス投信とは個別銘柄の集め方が違っており、それが信託報酬を相対的に低く設定できる要因となっています。

 ETFを買うことができるのは、全国の証券会社とネット専業証券。売っても儲かりづらいETFは、取り扱ってはいるけれど「あえてお薦めはしない」という結果になっているようです。

コストと運用成果に相関性はない

 ここで資産運用のコストについて考えてみましょう。

 ETFや投資信託における主なコストは、売買するときの販売手数料と運用期間中に毎日少しずつ差し引かれている信託報酬の2つです。最近では、販売会社がETFの販売手数料を無料にするものや、そもそも販売手数料が無料のもの(ノーロード投信)も増えてきました。

 老後のための資産形成は、ある年齢のときに目標金額を保有していることがゴールです。極論すれば、いくら高いコストを払ったとしてもゴールに到達できれば問題ないわけです。しかし残念ながら、「高い運用コストを支払えば、高い運用成果が期待できる」というような相関性はありません。

 そう考えると、投資資金から差し引かれるETFや投信の信託報酬は、低ければ低いほど運用成果を高める効果があるといわざるを得ないのです。

指数投資のわかりやすさと多彩な投資対象

 ETFは理論上、ある種類の個別銘柄をまとめた指数を構成できれば、どんな投資対象でも投資できるといわれています。最近では仮想通貨の指数をつくって、それを連動対象にしたETFも話題に上りました(まだ組成されていませんが)。