レバレッジ型は値動きが大きいリスクがあります。インバース型は市場を常時ウォッチしていないと想定外の運用成果になってしまう危険性があります。また、いずれも中長期で保有し続けると原指標の複利効果によってETFの価格が変わらなくても、連動対象指数の運用成果がてい減する特性があるので注意が必要です。
金融政策がETF市場に大きな影響を及ぼす
最後の3つめが、政府・日銀の金融政策がETFのリスク要因になっていること。ご存知のように、日銀は金融緩和政策の一環として年間6兆円ものETFを購入しています。最近では将来の金融正常化(出口戦略)をにらんで、その購入額を減らしていく可能性が取りざたされています。
一般社団法人投資信託協会によると2018年7月末現在のETF純資産総額は約35兆5000億円ですから、日銀買い取りによる影響力が大きいことは間違いありません。今後、日銀による買い取り額や購入方法の変化によってETFの基準価額や流動性が左右されることは十分に考えられます。
ETFで投資の面白さ、楽しさを体感してみる
ETFはざまざまな指数に連動することを目指すインデックス投信の側面があります。その一方で、個別株式のように時々刻々と変化する価格を見ながら、自分で何回も売買することができます。買う前に「売り」から取引を始める信用取引も可能です。
このことから、中長期の運用による資産形成には不向きだという見方がありますが、これも考え方次第でしょう。
投信は「買ったら四半期に一度程度チェックすればよく、あとは忘れていればいい」「細かな値動きに左右されることなく安心して投資できる」という考え方があります。しかし、それが投資の面白さや楽しみを阻害し、「貯蓄から投資」という流れがなかなか広がらない原因の一つということもできます。
投資に面白さや楽しみが必要かどうかは、個人ごとに違います。ただ、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)、個人向け国債などを資産づくりの土台にしながらETFで投資の世界を体感し、運用成果を老後の楽しみするのも一考でしょう。
つみたてNISAやiDeCoについては
長期運用の投資信託を選ぶための基本的な考え方http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53067
個人向け国債については
個人向け国債を「守りの資産」として活用しよう
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53693
で解説していますので、あわせてご参照ください。