「1年しばり」に関しては、個人向け国債を購入する資金をしっかり区別することで対応できそうです。資産運用のための投資資金と日常で使う生活資金と分けて、最初は少なめの金額から購入することを考えてみましょう。なお、名義人が亡くなった場合や大規模災害時などは特例として1年未満でも換金することができます。

 「0.05%」という金利水準をどうとらえるかは、相対的な見方になります。郵便局の「定額貯金」が4~5%という金利だった時代を知っている人には確かに物足りなさを感じるでしょう。しかし、昨今の超低金利で、ゆうちょ銀行の定期預金はいまや0.01%(3年、5年)。0.05%なら5倍と考えることができます。

 万能の金融商品はありません。この2点に納得できれば、個人向け国債は資産形成における「守りの資産」として大いに有効といえるでしょう。

金利上昇に備えるなら「変動10」で

 国債への投資ということで気になるのは、今後迎えるであろう金利上昇局面への対処ではないでしょうか。現在は史上稀に見る低金利時代です。世界中で金融緩和政策とその出口戦略に取り組んでいるなか、日本でもそう遠くない時期に金利上昇局面を迎える可能性は高そうです。

 そう考えるなら、変動金利の「変動10」が適していると思われます。10年満期ですが中途解約ができますし、半年ごとの利率設定で金利上昇にも追随していきます。

 金利は現状、理論的にこれ以上下げることができないところまで下がっています。金利上昇がいつ、どの程度のスピードで実施されるのか、が問われているいま、個人向け国債なら「変動10」を選んでおくのがベターといえそうです。

国債暴落の心配も無理ないが

 一方で、個人向け国債の購入によって国の借金を増やすことに躊躇してしまう方がいるかもしれません。国の借金は2018年3月末現在で1087兆8130億円。そのうち959兆1413億円が国債で、9割弱を占めています。財政赤字が大きいことから、国債が暴落して資産価値がゼロになってしまうのではないか――と心配するのも無理はありません。