そこでクローズアップされるのが「個人向け国債」です。国債は読んで字のごとく、国(日本)が発行する債券。つまり、多くの個人が国にお金を貸した証文が個人向け国債ということになります。国に貸したお金ですから、元本と利子は国が保証して支払います。当然のことながら日本の国債はこれまで、元本割れが起こったり、利子が支払われなかったり遅れたりしたことは、一度もありません。

税引前金利は0.05%より下がらない

 個人向け国債には3つの種類があります。10年満期で利率が半年ごとに見直される変動金利の「変動10」、5年満期で固定金利の「固定5」、3年満期で固定金利の「固定3」の3つです。いずれも1万円から購入できて発行から1年経てばいつでも換金可能です。その場合、原則として2回分の利子(税引前)相当額の0.79685倍した金額をペナルティとして支払うだけ。つまり、購入から1年以上経てば、元本割れはしません。

 気になる金利はどうなっているでしょうか。個人向け国債の金利設定方法は、「変動10」が基準金利×0.66、「固定5」が基準金利-0.05%、「固定3」が基準金利-0.03%となっています。

 基準金利とは機関投資家などの間で売買される国債の市場実勢金利のことで、3種類で違っています。たとえば「変動10」(第100回)では0.04%です。しかし、大事なのは3種類とも金利の下限が0.05%に設定されていること。計算上それより低金利になったとしても0.05%から下がることはありません。

 事実、直近に発行される「変動10」(第100回)の利率は計算上0.04%×0.66=0.0264%になりますが、実際の適用利率は0.05%(税引前)になっています。