メキシコに米中貿易摩擦が飛び火も

 トランプ氏はメキシコを経由する中国製品、あるいはメキシコに進出する中国自動車メーカーの対米輸出に対して100%の関税を課すとしている。トランプ氏が大統領に就任すれば、まずはこの点がメキシコ政府との貿易摩擦の火種となるリスクがある。

 トランプ氏が大統領に返り咲けば、少なくとも貿易政策では前政権時代と同様に各国や企業にとっては戦々恐々とした日々が続きそうだ。特に中国に対する姿勢はこれまで以上に厳しくなり、USMCA締約国のメキシコに米中貿易摩擦が飛び火しそうな気配がある。

 そんな中で同盟国の日本はまだ安心かもしれないが、上述のとおり、輸入関税を一律に引き上げる案もあり、そうなればトランプ氏との間で粘り強い交渉が求められそうだ。

【後編に続く】
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