東京マラソン2024(写真:REX/アフロ)

マラソン大会において見聞きすることの多い“ペースメーカー”という存在。2024年3月3日に行われた「東京マラソン2024」では、大会運営側が準備したペースメーカーの走行ペースが不安定だったと物議を醸した。そもそもマラソン競技でペースメーカーを投入する意義とは何か。今回はペースメーカーの歴史や課題を探ってみた。

(杉原健治:フリーライター)

ペースメーカーはレース展開の“調整役”

 マラソンにおけるペースメーカーとは、出場選手に目安となる走行ペースを教える役割を果たすランナーのこと。ドッグレースで犬を先導するウサギの模型になぞらえ、別名「ラビット」とも言われている。大会主催者と契約を結び、競技中は決められたペースでコースを走るよう求められるのが特徴だ。

 契約によって走る距離はさまざまで、コースを完走する場合もあれば、途中で離脱する場合もある。通常の選手と区別するため、ペースメーカーは特定の文言及びマークが施されたゼッケンや、特徴的な色味のユニフォームなどを着用する。大会によってはペースメーカーが複数人いることも多い。

 今回注目された「東京マラソン2024」でも、先頭集団を率いるために3人のペースメーカーが投入された。当初、ペースメーカーはスタートから30kmまでの距離を走る予定だった。しかし海外からの招待選手たちによる速いレース展開の影響で、設定距離を完走することなく1人、また1人と脱落していった。

 加えて第2集団のペースメーカーも走行ペースに不安定さが目立ち、選手を苦しめる展開になった。これにはネット上でも「マラソン大会ってこんなにもペースメーカー頼りなの?」「生身の人間が走るから仕方ないのかもしれないけど、選手への影響は大きいよね……」などさまざまな意見が上がっている。