アフガニスタンと国境を接するウズベキスタン最南部、スルハンダリヤ州で会った人々(筆者撮影、以下同じ)

 中央アジアで最も人口が多く、シルクロードの中心地であり文化の交差点であったウズベキスタン。

「青の都」として名高いサマルカンドのイスラム建築をはじめ、美しい世界遺産であふれている。

日本人にも人気の観光地

 日本人は30日間までビザが不要なため、旅行先としても近年人気を集めている。

 しかし今回は観光地ではなく、アフガニスタンと国境を接するウズベキスタン最南部、スルハンダリヤ州に足を伸ばした。そこに、現在進行中のユニークな人道支援プロジェクトがあるというのである。

 首都タシケントから50分ほど飛行機に乗ると、あっという間にスルハンダリヤ州の中心都市テルメズに着いた。

 もう少し田舎を想像していたのだが、かなり大きい町で、インフラもしっかり整っている。手入れの行き届いた一軒家や小ぶりのマンションが連なり、デザイン性のある電飾も美しい。

 この町は国境地帯でソ連軍のアフガン侵攻の拠点だったため、かつては戦車が常に行き交い、道路はガタガタであったが、ここ2年ほどで綺麗に整備された。

 ちなみに本題からは外れるが、テルメズ自体は紀元前1世紀から存在しており、世界遺産の古代仏教遺跡がある。

 私財を投げ打ち、この地で長年にわたり発掘を続けた日本人考古学者の加藤九祚(かとう・きゅうぞう)氏はテルメズの名誉市民として、今でも地元で尊敬されている。

 加藤氏は2016年、発掘中に倒れ、テルメズ市内の病院で94歳で死去。

 テルメズ考古学博物館には、加藤氏の功績を讃える特別室があり、加藤氏が発見した貴重な出土品を見ることができる。