写真は「AWS re:Invent 2022」(提供:Noah Berger/AWS/ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コム傘下で、クラウドコンピューティング事業を手がけるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はこのほど、米西部ラスベガスで開いた年次イベントで、独自開発の新型半導体を発表した

電力消費2分の1、処理速度4倍

 (1)機械学習(マシンラーニング)のトレーニング専用半導体「Trainium2(トレーニアム2)」と、(2)サーバーCPU(中央演算処理装置)の「Graviton4(グラビトン4)」で、顧客はアマゾンのクラウドサービスを通じて利用できるようになる。

 AWSのアダム・セリプスキーCEO(最高経営責任者)によれば、(1)は、従来のTrainiumに比べて電力消費を2分の1に抑えながら、処理速度が最大4倍に高まる。(2)はGraviton3に比べてパフォーマンスが30%向上する。アマゾンは2024年にこれら新型半導体を活用した商用サービスを始める予定だ。

 最近は、アマゾンや米グーグル、米マイクロソフトなどの米IT大手による、独自AI半導体開発の動きが加速している。マイクロソフトは先ごろデータセンターで生成AI(人工知能)を動かすための半導体「Maia(マイア)」と、クラウドサービス用半導体「Cobalt(コバルト)」を発表した。グーグルは機械学習のトレーニングや推論に特化した「Tensor Processing Unit(TPU)」を自社のクラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」で提供している。

NVIDIAのGPU品薄、アマゾンは協業拡大

 こうしてIT大手が独自半導体を開発する背景には2つの理由があるとみられている。1つは、CPUの性能向上の速度が鈍化したため、各社が独自の改善策を見いだす必要が生じた。もう1つは昨今の生成AIブームにより、スタートアップも含め多くの企業がこの分野に参入した。これにより、生成AIに必要な米エヌビディア(NVIDIA)製GPU(画像処理半導体)が品薄になった。