米空軍の博物館に展示されたクラスター爆弾「CBU58 」(米空軍のサイトより)

廃棄処分300万発の在庫整理?

 バイデン政権は、ウクライナの将来を決める重要な北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を7月11日に控えた7日、ウクライナにクラスター弾を供与すると発表した。

 ウクライナの反転攻勢は、ロシア軍が進駐する北西部ハルキウ、ドネツク各州の拠点に張りめぐらされた強固な防衛態勢に阻まれて突破できずにいる。

 攻撃に必要とされた5000から9000発の弾薬も底をついてきた。

 そうした状況下でウクライナは、これまで米国にクラスター弾の供与を執拗に迫っていた。

 バイデン政権は、ロシア侵攻から500日目の節目に「いろいろと問題のあるクラスター弾」*1(米軍事筋)を反転攻勢の切り札として切った。

*1=クラスター弾は多数の子弾を広範囲にまき散らす殺傷力の高い爆弾。だが不発弾が多く、戦争後も一般市民を爆発に巻き込む危険性が高いため、非人道的との批判が強い。

 米軍はベトナム戦争時にはベトコン(南ベトナム解放民族戦線)継続追跡作戦(Hot pursuit)としてラオス領に侵入した際にクラスター弾を投下した。

 また2003年から06年のイラク戦争にも使われた

(不発弾処理は現在も「不発弾処理国際機関」によって行われている。2023年までにかかった処理費は推定730億ドルといわれる)

 米国は現在クラスター弾300万発を保有しているが、廃棄したくて仕方がない。不発率が高いことから「お荷物」なのだ。

 米議会は2009年、不発率1%以上のクラスター弾の使用を禁ずる法案を可決成立させている。

 すでにこれに代わる改良致死性弾「BLU-134/4」を生産しているが、米空軍は次世代地域攻撃弾として「BLU-136」改良致死性弾を開発中だ。

BLU-136 Improved Lethality Warhead