ロシアのプーチン大統領(2023年2月1日、写真:ロイター/アフロ)

(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)

 米WTI原油先物価格はこのところ1バレル=70ドル台後半で推移している。

「中国の経済活動の再開が原油需要の増加につながる」との期待が高まるものの、上値が重い状況が続いている。

強まったOPECの価格支配力

 まず供給サイドの動きを見てみたい。

 ロイターによれば、1月のOPEC(石油輸出国機構)の原油生産量は日糧2887万バレルで、昨年(2022年)12月から5万バレル減少した。イラクの原油生産量が減少したことなどが主な要因だ。

 OPECとロシアなどの大産油国で構成するOPECプラスは2月1日に合同閣僚監視委員会(JMMC)を開催し、原油生産に関する現行の政策を維持する方針を確認した。

 OPECプラスは昨年11月から今年末まで世界の原油需要の2%に当たる日量200万バレルの減産を実施することで合意している。だが、ナイジェリアやアンゴラなどアフリカの産油国の生産量が伸び悩んでいるため、減産後もOPECプラスの実際の生産量が目標値を下回ったままだ。