「選択的週休3日制」は余暇を増やし社員のウェルビーイングな生き方を後押しするだけではない。自分らしさを追い求め、積極的に豊かなライフスタイルを模索しながら「マルチステージの人生」を生きるための戦略的な基盤となるべきものだ(今年のゴールデンウィークの白馬岳大雪渓、筆者撮影)

(朝岡 崇史:ディライトデザイン代表取締役、法政大学大学院客員教授)

 窮屈で不便・我慢を強いられているコロナ禍であるが、日本の経済にとって良かったと思われることがひとつだけある。多くの企業で「働き方改革」への取り組みが喫緊の経営重要課題となり、業務の効率性を高めるリモートワークの導入や旧態依然としたオフィスの改革が一気に進展したことだ。

 そしてこのところ「働き方改革」の文脈の延長線上で、「選択的週休3日制」に関する話題が注目を集め、メジャーなニュースや記事(雑誌、ネットメディア)で取り上げられる機会がどんどんと増えて来ている。

 例えば『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(2022年3月号)では「『働きやすさ』のマネジメント」が特集テーマであり、2019年の夏にいち早く週休3日制(というより週勤4日制と呼ぶべきだろう)を導入して業務の効率化に成功した日本マイクロソフトのワークスタイル変革の事例紹介(日本マイクロソフト エグゼクティブアドバイザーの小柳津篤氏による寄稿)や「週休3日制導入に向けた6つのステップ」と題する論文(ハーバード・ビジネス・スクール助教授のアシュレー・ウィランズ氏ほか著)を読むことができる。

 また『日経ビジネス』(2022.04.25号)の「時事深層」のコーナーでも、日立・パナソニックHD・NECなどの導入事例を引き合いに出し、「『週休3日』は人材獲得の切り札」という視点で記事が掲載された。

 さらに『日本経済新聞』(2022年5月2日 朝刊)の「働き方innovation」の特集記事では、2021年4月に一部の部署で「選択的週休3日制」を採用したファッション通販のZOZOの取り組みを取材し、「休むための業務改善」が好循環を生んでいることを紹介している。

「選択的週休3日制」に関連する記事の露出が増えている(日本経済新聞、2022年5月2日朝刊)