フランス革命はフランスの税制が直接税中心だったから起こった!?(Wikipediaより)

 国家とは何か——この問いに答えるのは簡単ではありません。しかし、合法的に軍隊を持つことができるのが国家だけというのは、言うまでもありません。近代国家はヨーロッパで誕生しましたが、その生成過程では戦争が繰り返されてきました。戦争を重ねることでヨーロッパに近代国家が誕生し、それぞれの国家は明確な領土を形成していったのです。

 その意味では、近代国家とは、税金がかけられる領土を持つ国家と定義づけることもできるでしょう。

主権国家とは何か

 歴史学の研究においては、「主権国家」の成立が、近代世界の特徴の一つとされています。

『世界史用語集』(山川出版社)によれば、主権国家とは次のような定義になります。

<明確な領域(国土)を有し、確立した主権が存する近代国家のこと。主権は、国内では独立性を持つが、背景に、中世末以降はローマ教皇や神聖ローマ皇帝など普遍的な権威が衰退したことがある。>

 そして、主権国家体制とは、次のことを意味します。

<近世ヨーロッパで成立した政治体制。主権国家が相互に並立し、覇権を争いながら国際政治が展開される状況を指す。イタリア戦争を機に形成され、一六四八年ウェストファリア条約で確立したとされる。>

 次は、教科書の記述をみてみましょう、

<神聖ローマ皇帝として、ヨーロッパ全域を支配しようとする考え方はここで挫折し、西ヨーロッパ諸国は、それぞれの国や国民のまとまりを重視する主権国家の考え方に転換した。帝国として世界を政治的・軍事的に支配するのではなく、個々の国家を強化して、世界的な分業体制(世界システム)の中での地位を高めようとするようになった。>(『新詳 世界史B』帝国書院)

 ここで、主権国家が戦争によって生まれたということと、税金と主権国家との関係について触れられてはいませんが、この2つはとても重要な点です。