沖縄県の自治体関係者は「さすがにまだ来年の春季キャンプに関しては韓国の球団側から、何も具体的な話を聞いていない。ただ今の日韓の緊迫した状況と照らし合わせれば、先方から『次の春も行けない』と通達されても何ら不思議はないでしょう」と半ば諦め気味に肩を落とす。

 韓国の球団とはいえプロチームのキャンプ地となれば来訪者も増え、それなりの経済効果を生み出す。ソロバンを弾いていた自治体側や地元関係者にとって、呼び物が来ないとなると見込んでいた収入源は断たれ、大きなダメージとなるのは言うまでもない。

「我々は日本で秋季キャンプしたかったが」

「もちろんNPBのセ・パ12球団とは比較するレベルではないですが、韓国の球団でも沖縄でキャンプを行えば見に来るファンの方々がいらっしゃいます。去年までも韓国から観光を兼ねて来日する人が結構多くいましたよ。

 それに沖縄県内でキャンプを行っているNPB球団との練習試合も定期的に組まれるので、その際はより多くの来場者で賑わいます。我々としては地域の活性化と日韓交流が同時に果たせて、とてもいい形になっていると考えていたのですが・・・。このままでは、その継続も難しくなってしまいそうです」(前出の沖縄県・自治体関係者)

 だが一方、この〝ドタキャン騒動〟の裏側では日本の自治体側に対し「我々としては日本で秋季キャンプを行いたかったが、どうしても周りがそうさせてくれなかった」と本音を漏らした韓国の球団関係者がいたことも明らかになりつつある。