だが1997年、当時のビル・クリントン大統領は、ポーラ・ジョーンズさんからセクハラ訴訟を起こされた。当初、地方裁判所は訴えを却下した。

 しかし、ジョーンズさんは巡回裁判所(高裁)に控訴。裁判は最高裁まで行き、結局クリントン大統領が85万ドル(約9600万円)の賠償金を支払うことで和解した。

 この判例から分かるように、裁判所の判断次第で現職大統領の起訴は可能だということだ。トランプは確実に追い詰められつつある。

44人の元上院議員が連名で投稿

 さらに今月10日、象徴的な出来事があった。

 44人の元上院議員が連名でワシントン・ポスト紙に投稿したのだ。

 記事の趣旨は(トランプ政権による)国家権力によって法の支配と憲法が脅かされているので、民主主義を守っていく必要があるというものだ。

 顔ぶれをみると、民主党のトム・ダシュル元院内総務、ジョン・ケリー元国務長官、共和党からはジョン・ダンフォース元国連大使、リチャード・ルーガー元外交委員会委員長など、超党派の重鎮たちである。