上記①②③以外に、“シベリアの力 ④”構想(筆者命名:ウラジオストクから北朝鮮経由韓国へ/年間10bcm想定)も存在します。

 ①は既に現在進行中ですから、今後は②③④が脚光を浴びることになるでしょう。

 “シベリアの力①”(東ルート)は2019年12月20日、中国向けに天然ガスを輸出開始予定です。

 露ガスプロムと中国CNPCは2014年5月21日、30年間(ピーク時供給量年間38bcm)の長期供給契約に調印。

 ガスプロムのA.ミーレル社長は2018年9月20日、“シベリアの力①”は全線2156キロのうち残る溶接部分は40キロと発表しましたので、近々完工するでしょう。

 P/L建設が終了すると、P/L全線を検査します。テスト終了後にラインフィル(P/Lに天然ガスを注入する作業)を行い、2019年12月20日から中国向けに天然ガスを輸出開始予定です。

 露ガスプロムと中国CNPC間で調印された契約によれば、1年目の供給量は5bcm、最初の5年間で徐々に輸出量を増やし、6年目からピーク時輸出量年間38 bcmに達することになっています。即ち、2024年末までに年間38bcm供給態勢になります。

 ただし、天然ガス供給源となるチャヤンダ・ガス田のピーク時年間生産量は25bcmなので、イルクーツク州コビクタ・ガス田を探鉱・開発し、同ガス田から800キロの天然ガスP/Lを建設してチャヤンダ・ガス田と接続しないと、この年間38bcmは達成不可能です。

 “シベリアの力②”は既に10年以上の長きにわたり露中間で交渉してきましたが、進展しませんでした。理由はガス価格です。

 天然ガス供給源は既存の西シベリア鉱区ですが、このガスは現在、欧州に輸出されています。すなわち、ガスプロムは欧州向けに輸出して外貨を稼いでいます。