人事が事業創造をいかに加速するか

オープンイノベーションを人事面で支えるために必要な施策とは?

森川 直樹/2018.9.26

いいねツイートする
CLO会議 パネルディスカッション「オープンイノベーションの成果と課題~人事が事業創造をいかに加速するか~」の様子。 モデレーターはグロービス ディレクターの大牧信介氏

 企業の人材育成責任者(Chief Learning Officer)に向けて、グロービスが2010年に立ち上げたCLO会議。その第8回「テクノベート時代の組織づくり ~変化を楽しみ、新たな価値を創造する組織へ進化するには~」が2018年9月に開催された。

 今回の会議ではセッションの1つとして、オープンイノベーションをテーマとしたパネルディスカッションが行われた。約80名の参加者を集めた会場で、グロービスの大牧信介氏による司会のもと、オープンイノベーションに積極的なコニカミノルタの波木井卓氏、東京急行電鉄(以下、東急電鉄)の加藤由将氏が自社の進捗と成果を披露。人事担当者がオープンイノベーションにどう関与していくのかについて、ディスカッションを繰り広げた。以下では、その模様を紹介する。

コニカミノルタと東急電鉄が抱える「ヒト」にまつわる課題

 パネルディスカッションの冒頭、モデレーターの大牧氏が場内に問いかけた。
「今日お集まりの皆さんの中で、『私の会社はオープンイノベーションに積極的だ』というかた方はいらっしゃいますか?」

 挙手したのは全体の4分の1ほど。このまばらな反応がいま現在のオープンイノベーションの実状かもしれない。ただし、大牧氏が「これから進めていく、というかた方は?」と質問を変えると、ほぼ全員が手を挙げた。多くの企業が喫緊の課題としてオープンイノベーションに注目しているのは確かなようだ。

 この後、コニカミノルタの波木井氏と東急電鉄の加藤氏が、それぞれの現況を説明した。要約すると以下の通り。

・コニカミノルタ

複合機の製造販売というコア事業が成長率鈍化のフェーズを迎え、既存分野に固執しない新規事業を顧客視点で推進するべく、その中心的役割としてBIC(ビジネスイノベーションセンター)を2014年に設立。BICを立ち上げる際のコンサルタントや複数の起業経験のある波木井氏が所長に就任した。限られたリソースでありながら20ものプロジェクトを進めており、様々な課題を抱えているものの、今年1月には「世界初のニオイ見える化チェッカー」として新製品「Kunkun body(クンクン ボディ)」を発売。成果は着実に現れ始めている。

・東急電鉄

東急グループが展開する既存の交通、不動産、生活サービス事業のデジタルトランスフォーメーションを促進させるため、2015年にスタートアップ企業との事業共創プログラムとして「東急アクセラレートプログラム(TAP)」を開始。渋谷の再開発という大きなミッションも抱える中、ハード面ばかりでなくソフト面でも価値を提供していくべく、外部のテクノロジーやサービスを活用した新たな付加価値創出に取り組んでいる。過去3年間でのべ350社のスタートアップ企業からの応募を得て、21件の実証実験と5件の業務提携および出資を実行した。4年目の今、常時応募・毎月審査・随時協業にプログラムを変更し、その取り組みを加速している。

 以上の現況報告を踏まえ、パネルディスカッションは「ヒト」に関わる課題と、その解決というテーマで進んでいった。

コニカミノルタ ビジネスイノベーションセンタージャパン所長 波木井卓氏