イノベーションを生み出す「2階建ての経営」とは

JIN・西口尚宏氏が語る、独創的技術を事業化するための条件

鶴岡 弘之/2018.8.6

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日本では高齢者の生活の維持・向上は大きな課題だ。イノベーションが生まれる余地は大きい(写真はイメージ)

 他にはない素晴らしい技術ばかりなのに、なぜ事業化がうまくいかないのか──? 「Japan Innovation Network(JIN)」で企業のイノベーション加速を支援する西口尚宏氏。その活動の出発点は、産業革新機構(官民出資の投資ファンド)勤務時代に抱いたこの疑問だという。

 JINは、日本でイノベーションを興し続ける企業をまず100社生み出し、日本をイノベーションが興り続ける「イノベーション国家」に変革することを目的に、2013年に設立された一般社団法人である。創業メンバーの1人であり、専務理事、イノベーション加速支援グループ長を務める西口氏に、企業がイノベーションを生み出すための条件を聞いた。

経営は効率性と創造性の両方を追求すべき

──日本のさまざまな企業がイノベーションにチャレンジしています。イノベーションを生み出すためには何が必要でしょうか。

西口尚宏氏(以下、敬称略) 私が以前所属していた産業革新機構にはいろいろな投資案件が持ち込まれてきたのですが、技術はよいのに事業モデルが構築できていないケースが頻繁にみられました。名だたる大企業の技術者たちがスピンアウトしてベンチャーをつくったり、あるいは社内で事業化しようとしても、事業モデル構築までなかなかうまくいかないんですね。

 そこで私は、技術者がイノベーションを興すのを支援するために、いろいろなことにトライしました。例えば、ロボットの技術者たちと介護施設の職員たちを会議室に集めて、「介護施設で使えるロボットの開発を一緒にやりましょう」と呼びかけるようなセッションを開いたりしました。けれども、いまひとつ盛り上がらない。