北極圏から日本まで覆った熱波、今後はいっそう頻繁に 専門家が警告

ギリシャ首都アテネ西方のキネタで発生した森林火災の消火に当たる消防隊員ら(2018年7月24日撮影)。(c)AFP PHOTO / Valerie GACHE 〔AFPBB News

 夏休みですので、エジプト式分数の話題など予定していたのですが、台風12号のイレギュラーな上陸で大雨となっており、急遽予定を変更して、防災を考えたいと思います。

 台風12号は九州の南西に抜けましたが、この夏、台風はこれから幾度も到来し得る状況ですので、シンプルに防災のための要諦を検討してみましょう。

「だろう」被災から「かもしれない」防災・避難へ

 私の研究室は長年、広島国際大学と共同研究を進めています。新幹線を東広島駅で下車して車で30分ほど、小高い丘「黒瀬学園台」の上に、広島国際大学東広島キャンパスがあります。

 先日の大雨、何気なくツイッターの画面を眺めていたら、幾度も訪れて見慣れた、この「黒瀬学園台」がとんでもないことになっている写真が出ているではないですか。

 驚いて、共同研究者の石原茂和先生にご連絡を取りました。ご夫婦揃って総合リハビリテーション学部教授、VR、ARを駆使する高齢者・障害者ケア・イノベーションのトップランナーです。

 しかし、こと災害となると気候は人を選びません。幸い、キャンパス建物そのものは無事とのことでしたが、周囲の学生駐車場や田んぼは軒並み土石流で埋まってしまい、雨が上がれば一面泥の海、すごいことになってしまいました。

 一つひとつ手仕事で復旧を進めていた矢先、こんどは変則的な進路で台風12号が東から直撃の可能性。

 この状態で、今度大雨が降ったら、2次的な大規模土石流はまず避けられないと大学は判断、さっそく全学休講・閉鎖の措置を取ったとのことです。

 「この程度の降雨なら大丈夫だろう」と高をくくって災害の直撃を受ける「だろう被災」を避け、「様々な2次災害もあるかもしれない」と早め慎重の対策を取る「かもしれない」防災・避難が最も重要と思います。