・米国は、リビアの核関連施設などを無条件でいつでも査察できる権限を手に入れ、あらゆる核関連の施設や技術を検証した。査察は速度が重視され、非核化作業の開始から終了まで正味4カ月だった。

・米国はイギリスの協力を得て、リビアのカダフィ政権と秘密裡の非核化協議を進めた。協議では、リビア側が求める条件や段階的非核化を一切認めなかった。

・アルカーイダの米国へのテロ攻撃を受けてブッシュ政権はイラクを攻撃した。リビアの独裁指導者、カダフィ大佐はそれを見て、自国も攻撃を受けかねないという懸念から対米協調に転じ、核兵器放棄にも同意した。イラクのフセイン元大統領が身柄拘束されたこともカダフィ氏に恐怖を与えたとみられる。

これまでの失敗を繰り返してはならない

 ジョセフ氏自身が論文中で強調するように、15年前のリビアと現在の北朝鮮とでは条件が大きく異なっている。最大の違いは、リビアと違って北朝鮮の核兵器は完成していることだ。だが、それでもリビア方式は北朝鮮を非核化する手段として効用を持つようだ。

 ジョセフ氏は同論文の中で、「米国の歴代政権の北朝鮮への対処の失敗を繰り返さないためにこそ」リビア方式からの教訓をいま活用すべきだと主張する。その教訓は以下の4点である。