台湾、香港、韓国でも、みんな「おでん」が大好き

再びファストフードに! 世界に進出する日本のおでん

2018.01.05(Fri) 佐藤 成美
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おでん。冬の季語でもある。上右側には関東に特有の「ちくわぶ」の姿も。

 おでんは冬の食卓には欠かせない庶民の味。手軽でヘルシーな食べ物として人気がある。近年では、コンビニエンスストアで夏でも販売されるようになり、ぐっと身近になった。

今や冬の風物詩ではなくなった?

 年も明け、冬本番。寒い日に食べたいのは、やはり熱々の鍋料理だ。

 鍋料理の種類は多いが、その中でもおでんの人気は高いだろうと思いきや、プラネットによる「鍋料理に関する意識調査」では、おでんは5位だった。人気1位は寄せ鍋、2位はすきやきと定番の鍋料理が並んでの5位なのだが、特筆すべきは年齢差だ。40歳代から60歳代の人は約40%が好きな鍋料理におでんを挙げている。中でも60歳代では一番人気だ。一方、20歳代から30歳代でおでんを挙げているのは約25%と少ない。

 今やおでんはコンビニエンスストアの定番商品で、わざわざ食卓で鍋を囲まなくても手軽に食べることができる。コンビニエンスストアでおでんが販売されるようになったのは、1980年代から。若い人にとっては、生まれたときからおでんはコンビニエンスストアで売っている。

 また、販売期間は年々長くなり、今では夏でも売っている。おでんの最も売れる時期も冬ではなく、肌寒くなってきた10月から11月という。そのためか、若い人ほど、おでんは鍋料理とか、冬の食べ物という意識を持たないのかもしれない。

煮込むほどだしが利いておいしくなる

 おでんのルーツは、豆腐やこんにゃくを串に刺し、味噌につけて焼いた食べ物「田楽(でんがく)」である。室町時代に広がり、これを「お田楽」または「お田」と呼んだことから呼び名がついた。

 やがて、豆腐やこんにゃくをだし汁で煮込んでから味噌をつけるようになり、さらに江戸時代後期になると、味噌で煮込んで食べるようになった。煮込みおでんは、庶民的な味が受けて一般に広まった。だし汁をしょうゆで味付けする現在のおでんの形になったのは、銚子や野田でしょうゆ造りが盛んになった江戸時代末期あたりからである。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。


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