台湾、香港、韓国でも、みんな「おでん」が大好き

再びファストフードに! 世界に進出する日本のおでん

2018.01.05(Fri) 佐藤 成美
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 おでんのおいしさは、だしにある。具材には豆腐やこんにゃくのほか、ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、つみれなどの魚介類加工品、それに大根、ゆで卵などを用いる。煮込むと魚介類などの材料のうまみが溶け込み、だしがよりおいしくなる。大根や豆腐にもだしが浸み込んでおいしくなる。

 また、関東ではちくわぶを使うのが特徴。小麦粉を練ったものを竹輪の形にしたもので、関東以外の地方ではあまり知られていないが、これまただしが浸み込んでおいしい。

 関西ではおでんを「関東煮(かんとだき)」という。その理由は、関東からしょうゆで煮込んだおでんが伝わったときに、関東煮として田楽のおでんと区別したからという説が有力だ。関東煮では、大根や豆腐などの具材に加え、クジラのさえずり(舌)やコロ(皮)、牛すじやタコなどを用いるのが特徴だ。

静岡、青森、小田原、名古屋、新潟・・・多様なご当地おでん

 おでんが全国に広がった近年では、地域色の豊かな具材やだしを使った“ご当地おでん”が次々に生まれている。

 有名なのは「静岡おでん」だ。牛すじでだしをとり、しょうゆで調味した黒い煮汁で串に刺した具を煮たおでんで、黒はんぺんを使う。黒はんぺんは、イワシやアジを骨ごとすり身にして加工した、静岡県の特産品である。イワシやカツオの削り節、青のりをかけて食べる。駄菓子屋で売られ、子供たちのおやつとして親しまれた。静岡市内には「おでん横丁」と呼ばれる通りもある。

静岡おでん。手前が黒はんぺん。
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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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