大勢の来客用から小人数分へ、煮豆の変化が映す世相

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(3)煮豆

2017.12.22(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要
黒豆。おせち料理にも出される。

 1935(昭和10)年創刊の月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部刊)の2号目から付録についたのが1枚の小さなカード「栄養と料理カード」。健康に留意したおいしい料理が誰でも作れるように、材料の分量や料理の手順、火加減、加熱時間、コツなど納得のいくまで試作を重ね、1枚のカードの表裏に表現。約10×13cmの使いやすい大きさ、集めて整理しやすい形にして発表した。
 この「栄養と料理カード」で紹介された料理を題材に、『栄養と料理』に約30年にわたり携わってきた元編集長が、時代の変遷をたどっていく。

 通販やデパートなどが取り扱うおせち料理の予約販売は、日本の冬の風物詩。師走半ば、ふるさと納税の返礼品としておせち料理を、との新聞の全面広告を見て驚いた。和食が無形文化遺産に登録されて4年が経つが、私たち自身の食生活の実態はどうなのだろう。

 おせち料理といえば黒豆、数の子、田作り――祝い肴三種。それぞれ、「まめ」に暮らせるように、子孫繁栄を、五穀豊穣をと願う意味があり、日本の文化が表されている。食文化の伝承は、家で作らなくても、出来合いの品を並べて食べるだけで整うということか。

 わが家で豆料理といえば、お正月は乾物から煮る黒豆。ふだんはドライパックや水煮の豆を使ったサラダや、チリコンカン、ミネストローネ、五目豆などの煮物。そして、乾物の小豆で作る赤飯など。

 小豆は別だが、乾物の豆は下準備が必須だ。前日から水に浸して圧力鍋でゆでる。加熱時間には注意するが、火を消したあとは時間がやわらかくしてくれる。

 昭和期の「栄養と料理カード」から豆料理を探すと・・・。

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三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


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