2.ボトムからのチャレンジ

 圧倒的な資本力を武器に徹底したコストダウンで勝負してくる中国・台湾企業と同じビジネスモデルで勝負をしても日本企業に勝ち目はない。幸いなことに、日本企業のビジネスモデルは純粋な加工組立型企業とやや異なる。

 中国・台湾系の加工組立企業はモジュール化を徹底的に追求し、大量生産によるスケールメリットを最大限生かして、他者の追随を許さない低価格を実現する。

 一方、日本企業、特に中堅・中小企業が得意とするのは高品質の多品種少量生産である。

 多品種少量生産のビジネスモデルの場合、顧客ニーズを勝手に予想して大量生産することはできない。納入先のニーズを十分把握し、そのニーズにきちんと適合したスペックの製品をタイムリーに必要な数量だけ納入することが求められる。

 ニーズに適合した製品を納入するということを徹底的に追求すれば、納入先企業の製品開発段階から共同研究の形で参画し、納入先企業の研究開発と一体化した開発・生産体制が究極の姿となる。

 上流・下流企業の製品開発が中流企業の開発・生産力によって左右されるといった逆転現象さえ生まれてくる。

 上流・下流企業と中流企業との開発・生産の一体化である。いわば、スマイルカーブのボトムからのチャレンジである。

 日本企業の中堅・中小企業の中にはこのような形で、上流・下流企業と一体化して製品の付加価値を高め、収益率を向上させている企業も多い。だからこそ厳しいグローバル競争の中で今もなお多くの日本企業が生き残っているのである。

 そう考えると、グローバル市場における日本企業の今後の活路が見えてくる。