4.速い中国市場のニーズ変化、対応に必要な条件

 貧困層の消費行動と中間層の消費行動は質が異なる。貧困層はとにかく衣食住の最低ニーズを満たすことが優先である。

 これに対して中間層は製品・サービスの購入時に他者との差別化を伴う一定の質を求めるようになる。ここに多品種少量生産に対するニーズが生まれる。

 中国の中間層の急増は中国国内市場において差別化のための高品質な多品種少量生産に対する市場ニーズが急増していることを意味する。

 中国市場は地域別に多様であり、その変化も速い。これまでは衣食住を満たせば十分であると思われていた製品・サービスに対する市場ニーズが変化し、急速に多品種少量生産に対するニーズが高まることが予想される。

 しかも、製品・サービスに求められる質の高さは以前とは比べ物にならないほどのレベルである。

 これは日本企業の特性に合致する市場が近い将来急拡大することを意味する。おそらくすでにそれは始まっており、一部の日本企業はその大きなチャンスを捉えて、収益の急拡大を享受しているはずだ。

 中国市場ニーズの速い変化に対応するには開発・生産の現地化とそれを支える本社経営層の迅速な意思決定が不可欠である。それを可能にするのは唯一社長自身の判断と決断である。

 そのためには社長自身が最低年数回は中国の現場を自分の目で見て、自分の頭で考えて、自ら迅速かつ的確な判断を下せるようにすることが不可欠である。

 日本の中堅・中小企業が得意とするスマイルカーブのボトムからのチャレンジが中国国内市場で本格的に拡大し始めるタイミングはすぐそこまで来ている。