3.中国国内市場における日本企業のチャンス

 中国国内市場に目を向けてみよう。日本企業にとって中国市場は米国と並ぶ重要市場となりつつある。特に最近は、中国からのインバウンド旅行客がほんの3~4年の間に急増し、その爆買いが注目されている。

 先日、大阪出張のついでに道頓堀から心斎橋筋を歩いてみると、平日の夕方だったにもかかわらず道の両側に立ち並ぶドラッグストアや家電量販店などでお土産を大量に購入した中国人が、休日の歩行者天国のようにあふれ返っていた。

 街を歩いていて聞こえてくるのはほとんど中国語だったのには本当に驚かされた。

 多くの中国人は、数年前まで日本の製品が高品質であることは分かっていたが高くて買えなかった。その中国人が日本の製品・サービスを高いと感じなくなっているということをこの道頓堀の風景が示している。

 その変化の背景には中国国内における中間層の人口の急増がある。私の手元の試算では、1人当たりGDP(国内総生産)が1万ドルに到達した地域の累計人口は、2010年の1億人から2020年には8~9億人にまで増加する。

 これが中国の中間層の急増ぶりを示すデータである。中間層の急増は現在も続いており、2020年頃までは急速に増え続ける見通しである。

 日本にいてもインバウンドの旅行客は日本の製品・サービスを買いに来てくれるが、日本企業の方から中間層が急増する中国市場に参入すれば、はるかに多くの顧客を確保できるのは言うまでもない。