サンフランシスコが街全体でエコな電気を選ぶ理由

再生可能エネルギーの選択に踏み込む原動力

2017.05.05(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49790
  • 著者プロフィール&コラム概要

サンフランシスコの街並み。(筆者撮影)

前回、電力全面自由化された日本の電気選びについてご紹介しました。今回は、街全体で電気を選んでしまった、私の大好きな街、米国サンフランシスコの取組を紹介したいと思います。

 日本では、近年、自治体が出資などを行う「地域新電力」が出てきましたが、ドイツや米国では、古くから自治体が社会インフラである電気供給に強く関与するケースが多くあります。

自治体主導の電力選択

 サンフランシスコのあるカリフォルニア州では、州法により次の2つの方法で、市が電力販売に関与できるようになっています。

 まず1つ目の方法は、市が公共電力会社(Publicly-Owned Utility:POU)を運営し、発電、送電、配電を一括で行う方法です。カリフォルニア州では、サンフランシスコ市を含め多くの自治体が実施しています。

 2つ目は、コミュニティ・チョイス・アグリゲーション(Community Choice Aggregation:CCA)と呼ばれる手法で、市が家庭や事業者の電力需要を束ねた上で、電力供給事業者や電気の種類を選択するものです。自治体が市内電力需要家の電力契約を代行して代替となる電力供給事業者と交渉します。

 CCAにより、自治体主導で再生可能エネルギーの比率の高い電力などを、交渉力を持って購入することが可能となる仕組みです。電力供給事業者が切り替わったとしても、送電・配電などはこれまで通り地元の電力会社が行うのがCCAのポイントです。

 カリフォルニア州では、2000~2001年に発生した電力危機を受けて小売全面自由化が中断しており、家庭用電力は基本的に地元の電力会社からしか購入できません。そのため、市民への選択肢の提供などの観点からCCAが導入されています。

1
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

(いながき・けんじ)平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月東京都庁入庁。ソーラー屋根台帳、屋根貸しマッチング事業、シティチャージ設置事業など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。26年4月から(公財)東京都環境公社(都から派遣)。5か国10都市で先進都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

>>最新記事一覧へ