サンフランシスコが街全体でエコな電気を選ぶ理由

再生可能エネルギーの選択に踏み込む原動力

2017.05.05(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49790
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「Green」は、PG&Eの電気とほぼ同価格で、PG&Eの電気は再生可能エネルギー割合が29.5%ですので、サンフランシスコ市民は、今後、同程度の価格でより再生可能エネルギー割合の高い電気を使えることになります。

 また、「Green」の電気代に1kWhあたり2セント上乗せすると、100%再生可能エネルギーの「SuperGreen」に切り替えることができます。SFPUCは市民に対し、「SuperGreen」への切り替えを強く呼びかけています。

「Green」「SuperGreen」PG&Eとの料金・再生可能エネルギー比率の比較

再生可能エネルギー選択の原動力

 サンフランシスコ市は、このようにかなり踏み込んだ取り組みを行っていますが、その背景には地球温暖化対策への高い意識があります。

 環境先進都市であるサンフランシスコ市は、これまでも温室効果ガスの排出を1990年から2010年にかけ14.5%削減してきました。同期間でGDPは40%増加、人口は11%増加しているのも関わらず、温室効果ガスの大幅削減に成功している点も注目に値します。今後の目標は、「温室効果ガスを1990年比で2025年までに40%削減、2050年までに80%削減」となっています。

 高い目標設定は、気候変動への危機感が引き金になっています。サンフランシスコ市は港町として有名で多くの観光客が訪れますが、最近の研究では、このままではサンフランシスコ湾の海面が2050年までに11~19インチ、2100年までに30~55インチ上昇するとされており、そのような事態は港町サンフランシスコ市にとって死活問題なのです。

 日本では東日本大震災以降、省エネや再生可能エネルギー普及は、原発代替やエネルギーの安定供給の観点で語られることが多いですが、欧州や米国では、第一に気候変動対策の位置付けであることが多くあるのです。

 始まったばかりの「CleanPowerSF」プロジェクト、今後、どれだけの市民がサンフランシスコ市の目指す理念に共感し、100%再生可能エネルギー電気「SuperGreen」を選択するのか注目です。

※本原稿は個人として執筆したもので、所属する団体の見解等を表すものではありません。本原稿へのご意見・お問合せは inagaki_energy@yahoo.co.jp までお願いいたします。(所属は寄稿時の所属です)

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(いながき・けんじ)平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月東京都庁入庁。ソーラー屋根台帳、屋根貸しマッチング事業、シティチャージ設置事業など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。26年4月から(公財)東京都環境公社(都から派遣)。5か国10都市で先進都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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