東芝メモリの第2入札を目指す4陣営
5月中旬に実施される東芝メモリの2次入札を巡って、応札しようとする企業やファンドなどの動きがあわただしくなっている。何がどうなっているのか、もつれにもつれていて、実態を把握するのが正直言って困難なほどである。
筆者が認識している限りでは、下の表のように4つの陣営が形成されつつあると思われる(表1)。
第1陣営は、東芝メモリとNANDフラッシュを共同開発し、製造している米ウエスタンデジタル(WD)を中心としたグループである。WDの問題は独占禁止法に触れることと資金不足の2点である。そこで、WDは、投資資金が豊富な米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と連携しようとしている。さらに、KKRは、日本の官民ファンドの産業革新機構と共同応札を行う動きを見せている。その革新機構に、日本政策投資銀行と、経済産業省が主導して結成しようとしている日本企業連合が加わろうとしている。
第2陣営は、東芝と新メモリMRAMの共同開発を行っている韓国SKハイニックス(SK Hynix)のグループである。SKハイニックスの問題はWDと同じで、独禁法に触れることと資金不足にある。SKハイニックスは、いっとき政策銀や革新機構との連携を模索していたが、それは断念し、現在は米投資ファンドのベインキャピタルと連携しようとしている。
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