サンフランシスコが街全体でエコな電気を選ぶ理由

再生可能エネルギーの選択に踏み込む原動力

2017.05.05(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49790
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 サンフランシスコ市役所の一部局であるサンフランシスコ市公営事業委員会(SFPUC)は、公共電力会社(POU)として、これまで公共施設やMUNIバス(電力で走る路面バス)などに対し、市の所有する水力発電からの電気を主電源として電気供給を行ってきました。

カーボンフリー電力でサンンフランシスコ市内を走るMUNIバス。(筆者撮影)

エコな電気のプロジェクト「CleanPowerSF」

 さらにSFPUCは「すべての家庭と80%の商業ビルの電力を、100%再生可能エネルギー電力とする」という目標を掲げ、2016年5月よりCCAにより家庭や商業ビルなどに対してもエコな電気の供給するプロジェクト「CleanPowerSF」を開始しました。

 先に述べた通り、カリフォルニア州は電力が全面自由化されておらず、サンフランシスコ市では家庭用電力は地元電力会社PG&E(民間事業者)からしか購入できません。

 通常、CCAでは需要を束ねる自治体が、価格や再生可能エネルギー比率などを考慮して代替電力を選びますが、サンフランシスコ市のケースでは、市の一部局であるSFPUC自らの電力を、この代替電力として選択しています。ここで、CCAの手法をとっているため、電力供給元がSFPUCに切り替えられたとしても、送電や配電、料金請求はこれまでどおりPG&Eが行います。

 サンフランシスコ市民の電気は、SFPUCの供給する電気に切り替えられていくことになります。現在、既に一部エリアで自動切り替えが実施されており、順次エリアが拡大されていきます。ここで、これまで通り、PG&Eからの供給を希望する市民・事業者は、申請によりCCAに不参加(Opt-Out)することも可能となっています。

SFPUCの所有するMoccasin水力発電施設。(SFPUCのホームページより)

 肝心のSFPUCの電気メニューですが、再生可能エネルギー割合40%の「Green」と100%の「SuperGreen」の2種類があり、「Green」に自動的に切り替わっていきます。

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(いながき・けんじ) 平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月から現在まで東京都庁職員。東京都環境局においてソーラー屋根台帳など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。(公財)東京都環境公社において新電力設立・運営に従事。5か国10都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。業務時間外に、京都大学「再エネ大量導入を前提とした分散型電力システムの設計と地域的な経済波及効果に関する研究プロジェクト」研究員としても活動。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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