「東シナ海における力のバランスを決定的に中国側に有利にして、コントロールできるようにすることです。

 その背後には、中国の復興という野望があります。習近平国家主席が『中国の夢』という言葉で表現するのも、この中華帝国の復興という目標です。そのために東シナ海と南シナ海の制圧を目指しているのです。

 さらにその背後にあるのが、いまの世界を米国一極から多極へと変えようという野望です。その多極世界では米国、中国、ロシア、EU(欧州連合)、インドなどの数カ国がパワーを保持して、並列的に並ぶことになります。日本は、もちろんそこには含まれません。アジアでは中国が主導権を持つわけです。いまの尖閣問題というのは、このように多様な要因を含む争いの縮図だと言えるでしょう」

日本が自ら尖閣防衛の能力を高めるべき

――中国は、軍事力によって尖閣諸島を奪取しようと意図しているのですか。

「今はまだそこまで考えず、日本の施政権を崩す消耗戦略を続けようとしているのでしょう。しかし、尖閣を奪取するための『短期で過激な戦争』という戦略を以前から準備していることも事実です。その場合、米軍が介入してくると予想すれば、軍事攻撃には踏み切りません。ただし、日本が先に攻撃をする、あるいは挑発をする、という状態で軍事衝突が始まれば、中国側は米軍は介入しないだろうと判断する可能性もあります」