トランプ新政権が掲げる経済政策はどのような効果を発揮し、世界経済に何をもたらすだろうか。

 トランプ氏が提唱する経済政策は、(1)大型減税、(2)大規模なインフラ整備という拡張的な財政政策である。

 専門家の間では「レーガノミクスに近い」として、世界経済の「長期停滞」を打破できるとの評価が強まっている。だが、レーガノミクスが導入された1980年代初頭の米国経済は高インフレ・高金利に悩まされたことは気になるところである。

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FRBは矢継ぎ早の利上げに追い込まれる?

 金融市場では早くも「トランポノミクス」の効果からインフレ期待が高まり、長期金利が上昇している。為替市場でも当初予想されたドル安・円高とは真逆の現象が生じている。

 小さな政府を志向する共和党は、減税には賛成するものの、インフラ投資の拡大には消極的であるとされている。しかし日の出の勢いのトランプ氏がインフラ投資拡大計画を実施すればどうなるだろうか(トランプ氏はインフラに投資する「インフラ銀行」の創設を検討し始めているようだ)。

 米国経済は既に完全雇用状態にあり、賃金上昇率も緩やかながら加速し始めている。