膨れすぎた「減産合意バブル」、弾けたらどうなるか

OPEC総会で下される“最後の審判”

2016.11.26(土) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48478
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OPEC本部があるオーストリア・ウィーンの街並み

 米WTI原油先物価格は、11月30日に開かれるOPEC総会への期待から1バレル=48ドル前後(11月24日)と3週間ぶりの高値水準で推移している。

 ゴールドマン・サックスは22日、「OPEC総会で原油生産を抑制する取り決めをまとめることができる」とした上で、来年上半期の原油価格は平均で1バレル=55ドルになると価格見通しを引き上げた(これまでの予想では、来年第1四半期が同45ドル、第2四半期が50ドルと見込んでいた)。市場では、OPEC総会が成功すれば「原油価格は1バレル=60ドル近くまで上昇する」との見方も現われている。

(参考・関連記事)「サウジとイランの対立再燃で原油市場に暗雲

イランやイラクは減産に依然として難色

 合意に悲観的だった市場関係者が一転して楽観的になったのは、11月17日にサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が中東の衛星テレビ「アルアラビア」のインタビューで、「日量3250万バレルの上限設定は原油価格の回復を加速し、生産国と消費国の利益になる」と強調したからである。翌18日にカタール・ドーハで開催されたOPEC閣僚級協議では、加盟国は、イランが10月の生産量として報告した日量392万バレルで凍結する案で妥協を探っているとされている(11月19日付ロイター)。

 その後、OPECは22日にウィーンで専門家会議を開催し、「原油生産量の上限を日量3250万バレル、減産期間を6カ月とする最大4.5%の減産(日量120万バレル)を行う」方向で調整が進んだ。

 OPECの原油生産量が日量3250万バレルまで減少すれば、「来年前半に世界の原油市場の需給はバランスする」と言われている。しかしこの目標は昨年後半のOPECの生産量と同じ水準であり、ハードルが高い。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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