原油相場が「強気」と「弱気」で揺れ動いている理由

当面は堅調に推移、だが需給面は悪くなっている可能性が大

2016.08.26(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47712
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原油相場が強気と弱気の間で揺れ動いている(写真はイメージ)

 8月23日の米WTI原油先物市場は一時1週間ぶりの安値水準となったが、ロイターが「イランがOPEC非公式協議に前向きな兆候を示した」ことを報じると、大きく切り返した。ニュースのヘッドラインを材料に売り買いするプログラムを基に取引を行うヘッジファンドが大量の買い注文を入れたからだとされている。

 WTI原油価格は8月2日に1バレル=39.51ドルの安値を付けたあと反転し、8月18日には20%以上上昇、48ドル台に達した。弱気相場入りから3週間足らずで強気相場に転じたことになる。

 市場関係者の間では、20%の上げは強気相場、下げは弱気相場の始まりとされている。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば今年は既に5回の強気相場と弱気相場の間を行き来している。5回もの相場転換は、原油価格が10ドル台と低迷した1998年以来の多さである。

 原油相場はなぜ強気と弱気の間で揺れ動いているのだろうか。

 8月初めからの原油価格の上昇は、9月のOPEC非公式協議に対する期待が主要因であることは言うまでもない。ヘッジファンドは価格下落を見込むポジションに大きく膨らんでいたが、OPEC非公式協議で「主要産油国が増産凍結に合意」することが濃厚とのニュースが飛び出したため、一斉にショートカバー(売り持ちポジションの解消)に走ったのである。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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