バイオマス発電、2016年から急増の見込み

遅れてきた再エネ業界の主役

2015.06.11(木) 宇佐美 典也
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43993
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 こうした動きの大元締めとなっているのが林業と農村を所管する農林水産省だ。農水省はバイオマス発電の振興を重要政策の1つと捉え、固定価格買取制度の施行と合わせて「バイオマス事業化戦略」を策定。食料産業局内に新たに再生可能エネルギーグループを設置して体制を整備している。

 今回は、こうした国内におけるバイオマス発電における状況を概観していきたい。

そもそも「バイオマス」とは何か?

 まず大前提となる「バイオマス」という言葉の定義についてだが、農水省は以下のように定めている。

バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」である。 太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から生物が光合成によって生成した有機物であり、私たちのライフサイクルの中で生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源である。 石油等化石資源は、地下から採掘すれば枯渇するが、植物は太陽と水と二酸化炭素があれば、持続的にバイオマスを生み出すことができる

 

 要は、バイオマスとは「化石資源を除く生物由来のエネルギー源」を指しており、その内容は多種多様だ。

 その大まかな分類と国内における賦存量、利用状況について農水省は「バイオマス事業化戦略」において以下の図のようにまとめている。

バイオマスのエネルギー利用のポテンシャル(試算)
(出所:経済産業省)
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 量的に多いものは家畜排せつ物(8800万トン、利用率90%)、下水汚泥(7800万トン、利用率77%)などだが、これらの利用率は既に高い水準にあり、追加的な利用は限られている。一方で食品廃棄物(1900万トン、利用率27%)、農作物非食用部(1400万トン、30%:ただし、すき込み利用除く)、林地残材(800万トン、ほぼ未利用)などは利用水準が低く、必然的にバイオマス利用政策の焦点はこうした分野に重点が置かれることになる。

バイオマス発電市場に流れ込みつつあるファンドの資金

 農水省としてはこれらの未利用資源の活用を促すことで、2020年までに2600万炭素トン、5000億円相当の新産業を創出するとしている。

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1981年、東京都生まれ。暁星高校、東京大学経済学部を経て、経済産業省に入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当したのち、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にて電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当。2012年9月に経済産業省を退職。現在、再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開している。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、『肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方』(中公新書ラクレ) など。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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