太陽光発電業界を追い詰める「出力制御」ルール

電力会社、再エネ事業者、銀行・・・交錯するプレイヤーの思惑

2015.04.30(木) 宇佐美 典也
    http://goo.gl/BiKJD2
  • 著者プロフィール&コラム概要

2012年の「固定価格買取制度」(FIT:再生可能エネルギーを用いて発電した電力を、電力会社が一定価格で買い取ることを政府が義務付けた制度)の導入以降、太陽光発電所の建設計画が急増したことで電力系統網の負担が増し、現在経済産業省において制度の見直しが急ピッチで進んでいるのは既報の通りである。ここにきてその具体的内容が徐々に示されてきた。

3つの太陽光発電の接続ルール

 まず太陽光発電の導入状況を簡単な制度説明とともにまとめていきたい。

 太陽光発電の導入量に関しては、

・経済産業省が、事業者の計画を認定した量によって計測する「認定量
・事業者が電力会社に接続を申し込んだ量で計測する「全接続申込量
・実際に太陽光発電所を電力系統網につないだ量で計測する「接続済量

という3つの計測法がある。

 固定価格買取制度では、原則として電力会社が系統安定化を名目に太陽光発電所に出力制限をかける場合、「年間30日」または「360時間」という一定の上限が設定される。

 しかし上記のうち「全接続申込量」が、各地域で電源種ごとに設定された「接続可能量」(電力会社側の設備容量の上限)と呼ばれた一定の閾値を超えると、その地域の電力系統網を管理する電力会社は経済産業省からの指定を受けた「指定電力会社」となり、原則とは異なるルールが適用される。具体的には、電力会社が後発の太陽光発電所にどれだけ出力制限をかけても補償義務が生じなくなる。

各電力会社管内の認定量、接続申込量、接続済量と接続可能量
(出所:「再生可能エネルギー各電源の導入の動向について」資源エネルギー庁)
拡大画像表示
1
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

 

1981年、東京都生まれ。暁星高校、東京大学経済学部を経て、経済産業省に入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当したのち、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にて電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当。2012年9月に経済産業省を退職。現在、再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開している。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、『肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方』(中公新書ラクレ) など。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

>>最新記事一覧へ