ドイツ・デュッセルドルフにある独電力最大手E.on(エーオン)本社 [AFPBB News]
 

せっかくの最新鋭ガス火力発電所が閉鎖申請されるのはなぜか

 3月30日のニュースによると、ドイツの大手電力会社E.onが、バイエルン州のイルシングというところにあるガス火力発電所を廃止する申請を出した。採算が成り立たないからだ。

 イルシングの火力発電所には5系列の発電機があり、最新鋭の4号系列、5号系列は、それぞれ熱効率が60.4%、59.7%と、世界で一番優秀なガス火力の1つだ。建設にはほぼ10億ユーロがかかり、稼働を始めてから、前者はわずか2年、後者は3年しか経っていない。

 これを、2016年4月に閉鎖するという。申請は1年前になされなければいけないため、今、申請書が提出された。しかし、実際問題として、発電所は公共の利益に大きく関わっているため、国の系統規制庁が許可しないと、勝手に閉鎖することはできない。

 なぜ、この最新鋭のガス火力の採算が悪化したかというと、再生可能エネルギー(以下、再エネ)が増え、出番がなくなったからだ。