9月21日に、地球温暖化の国際研究チームGCP(グローバル・カーボン・プロジェクト)が発表したところによると、2013年、世界のCO2排出量が、過去最高の360億トンに達したそうだ(濃度は396ppm)。
2005年には270億トンだったので、これはすごい伸びだが、しかし、CO2をトン単位で言われても、なかなか想像ができない。とてつもなく凄い量なのだろうと、空恐ろしくなるだけだ。
急増するCO2排出量、本来の目的を見失ったCOP
先進国では、CO2の排出量は2000年以来横ばい、あるいは、減っているが、中国、インド、ASEANなど途上国での増加が著しい。特に中国は1国で、世界全体のCO2排出増加量の約55%を占めているという。
CO2に温室効果があることは、科学者の間では19世紀から知られていた。CO2などの温室効果ガスが大気圏に漂っていると、太陽の熱は通すが、反対に地表から放射される熱を逃がさなくなる。だから、地表が冷えない。
地球の温暖化に人々の関心が集まり始めたのは、1980年代の終わりだ。世界各地の異常気象が問題になり、CO2と温暖化の関係が取り沙汰された。その結果、92年、国連が地球サミットを開催し、気候変動枠組条約が締結された。
この時、155カ国が条約に署名、発効は94年。その翌年より、年に一度、締約国が集まって会議を開くことになり、それが今も続いている。COP(気候変動枠組条約締約国会議)だ。実際に温室効果ガス削減の数値目標が定められたのは、97年、第3回目の京都会議(COP3)でのことだった。
それ以来、多くのことが決められ、多くのことが守られなかった。京都議定書を、最大のCO2排出国であるアメリカは批准せず、2001年には離脱した。排出量を減らせないカナダも、一昨年、離脱している。世界第2の排出国中国は、発展途上国扱いなので、削減の義務はない。
昨今のCOP会議は、環境を案じて対策を考える場ではなく、お金の取り合いの場になってしまっている。発展途上国は、削減の義務を逃れる画策、あるいは、削減のために先進国からお金を引き出す算段に熱心だ。
「現在の状態は、先進国が、自分たちが豊かになるため、野放図に産業を発達させた結果、引き起こした」という彼らの言い分は正しいが、しかし、こうなった以上、これからは先進国も発展途上国も一致協力して事に当たらなければ、手遅れになる。