これまで「営業強化を科学する」と題して、目に見えない営業やサービスについてサービスサイエンスの視点で捉えてきました。

 営業やサービスを少しロジカルに理解してみると、今までよりはるかに価値ある努力のポイントや取り組みの盲点が見えてきます。しかし、そういった努力のポイントや方法論も、考え方やスタンス次第で、その効果は大きく変わってきてしまいます。つまり、営業強化に熱心に取り組んでも、考え方やスタンスが誤っていれば、やればやるほどお客様が逃げていくことも十分にあり得るのです。

 そこで今回は、営業強化のスタンスを見つめ直してみたいと思います。

製造業とサービス業の違い

 ここで、製造業とサービス業を比較して、どのような違いがあるのかを見てみましょう。この比較から、サービスや営業でお客様に喜んでいただくための重要な気づきが得られます。

 製造業ではまず材料である原料や部品を調達します。そしてそれを生産工程に運んで商品を作ります。そして、その商品を通してお客様に喜んでいただきます。

 ここに製造業の大きな特徴の1つがあります。それは、お客様は「生産」に直接絡んでいないということです。