アフリカにおけるイスラム教の「地理」と「歴史」

 イスラム教徒は世界人口の約5分の1、16億人ほどとされる。アジア・アフリカの約50カ国では国民の大半がイスラム教徒であり、インドネシアが世界一のイスラム教徒人口を持つ。

図1:アフリカ諸国におけるイスラム教人口とキリスト教人口の比率(出所:Pew Research
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 特にMENA(Middle East and North Africa:中東・北アフリカ)には人口の90%以上がイスラム教徒である国々が集中しているが、ここは世界で一番人口が増加している地域でもある5。しかし、一言でイスラム教徒といっても、言葉、人種、保守的度合いなどについては様々である。

 アフリカ大陸においては北部にイスラム教徒、そして南部にキリスト教徒が集中する形となっている。

 図1は、緑色が濃いほどイスラム教徒の割合が多いことを示す。一番濃いところではイスラム教徒人口がキリスト教徒人口の200倍となる。薄い緑色のところは2倍まで。グレーの濃淡はキリスト教徒の割合の多寡を示している。

 サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠より南の地域)では、1900年にイスラム教徒が14%、キリスト教徒が9%であったのに対し、2010年にはイスラム教徒29%、キリスト教徒57%と、キリスト教徒人口が大幅に増えている6


5 http://www.prb.org/FrenchContent/2013/demographics-muslims-fr.aspx

6 http://www.lebret-irfed.org/IMG/pdf/413-Islam-Afrique-Ouest.pdf

特に20世紀はキリスト教徒が一番増えた時期であった。