トクホで痩せるためにやらなければならないこと

謎多き「トクホ」の正体に迫る(後篇)

2013.04.26(Fri) 漆原 次郎
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「メッツコーラ」にはどれくらいの効果があるのか

──では、具体的なトクホとして「キリン メッツ コーラ」(キリンビバレッジ) を取り上げたいと思います。このトクホ飲料では、どのような成分が鍵を握っているのでしょうか。

梅垣 「難消化性デキストリン」という成分が、メッツコーラで「食事の際に脂肪の吸収を抑える」と表示される上での関与成分となります。企業提供の情報によると、難消化性デキストリンはでんぷん由来の水溶性食物繊維で、上部消化管における脂質の消化吸収の過程で脂質の吸収を遅らせ、便量増加によって便中への脂質排泄を促進させることにより、食後中性脂肪の上昇を抑制するといいます。

「キリン メッツ コーラ」の人への有効性など (参考:国立健康・栄養研究所が企業から情報提供があった商品をまとめた「『健康食品』の安全性・有効性情報」をもとに筆者作成)

──実際、被験者がハンバーグやバターロールの食事とともに、メッツコーラと同様の難消化性デキストリンを5グラム配合した被験飲料を飲んだ試験の結果が、論文で公表されていますね。そこでは、味は同様ながら難消化性デキストリンを含まない対照飲料を飲んだときとの効果の比較が示されています(グラフ参照)。この比較をどう見たらよいでしょうか。 

「キリン メッツ コーラ」の効果を示したグラフ。白丸の「被験飲料」がメッツコーラに当たる。黒丸の「対照飲料」は、難消化性デキストリンを含まない点を除き原材料が同一である飲料。レムナント様リポ淡白コレステロールは、動脈硬化の発症や進展に関与する物質で、「恐玉コレステロール」とも。 (出典:薬理と治療,38,7,637-43(2010)を参考に筆者作成)

梅垣 グラフを見たら、差はわずかだと思うでしょう。実際、試験食品と対照食品の効果の差は、ほんのわずかでしかないと言えます。

 この差よりも、もっと大きな効果を確実に得る方法があります。ほかの食事内容で糖分の摂取量を減らせばよいのです。

──つまり、ハンバーグやバターロールなどの摂取量を減らせばよい、と。

梅垣 そうです。

 それに、トクホの効果を示すデータは、統計的な処理がなされます。それはつまり、トクホを摂ったときに効果が表れる人もいれば、効果が表れない人もいることを意味します。そのトクホを摂る人たち全体で見てみれば「効果があると判定してよいだろう」ということなのです。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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