人間万事塞翁が馬。何が災いし幸いを呼び込むかは分からない。また、人生は七転び八起きの精神が大切だとも、故事は教えている。しかし、実のところ7回転んで8回起き上がるような激しい人生を送っている人はそんなにいない。

一度転んだらなかなか起き上がれない日本

今週のランキング
順位 タイトル
1 エルピーダよ、2度目の敗戦を無駄にするな
2 エルピーダメモリの破綻が示唆する日本の問題
3 品質でも中国に抜かれる寸前となった日本
4 橋下徹だけではない、地方を豊かにする改革者
5 河村市長の発言でとばっちり・・・
6 信じてはいけなかった「国を信じてください」の言葉
7 バカな自分はそのまま生かし、残りで勝負する
8 日本を苦しめてきた円ウォン相場の呪い
9 ソニーはどこへ向かうのか
10 沖ノ鳥島を奪われた時、日本は崩壊する
11 エルピーダの「失われた13年」
12 結婚願望:実利より見栄を張りたい女の心理
13 「教えなければ人は育つ」、南富士の人材教育術
14 ロシア大統領:プーチン時代の終わりの始まり
15 インテリが労働者、下請けを食い物にしてきた原発
16 一流と二流の分かれ目は君の中にある
17 大きく変わり始めた中国人の勤労観
18 スマホの普及で大復活し始めたラジオ放送
19 震災から1年:東京に戻った「フライジン」のその後
20 日本の企業年金基金が危ない!

 日本の場合には、ベンチャーを起業しても失敗したらそれでおしまい。二度と立ち上がることを許されない風土が染み付いているからなおさらだ。

 自らベンチャー企業を立ち上げ、またシリコンバレーに駐在していたことがあるので、日米の違いは身に染みて感じる。

 しかし、そんな日本でも、七転び八起きの経営者人生を歩んでいる人がいる。

 代表的な1人がブックオフコーポレーションを創業した坂本孝さんだろう。若くしてオーディオショップを立ち上げるも失敗して閉店する。

 その後いくつかのプロジェクトに参加したあと1990年にブックオフを立ち上げた。

 再販制度で守られている日本の書籍販売に風穴を開け、あれよあれよと言う間に全国で900店舗を抱えるまでに急成長した。

 一方で出版社や既存の書店からは目の敵にされる存在となったのはご承知の通りである。創業時にパートタイマーだった主婦を社長に据えるなどユニークな経営手法も話題をさらった。

 しかし、成功の絶頂期に足をすくわれる。セクハラやリベート問題などでつまずき、会社を離れることを余儀なくされてしまった。

 その坂本さんはいま、ブックオフで実現できなかった夢を追いかけて再出発している。今度の業態は飲食店である。そして、坂本さんが「今後の命運を握る勝負店舗」と位置づけるお店を3月8日にオープンさせた。