TOPPAN代表取締役社長の大矢諭氏(撮影:宮崎訓幸)
「すべてを突破する。TOPPA!!! TOPPAN」――テレビCMの印象的なキャッチフレーズをご記憶の方も多いだろう。TOPPANといえば大日本印刷と並ぶ印刷業界の2強だが、近年は印刷技術を基盤とした半導体部材やパッケージ(包装材)などの事業も展開し、着々と変革を遂げている。同社は今後どのような企業集団を目指していくのか。TOPPANホールディングス専務執行役員COO、TOPPAN社長の大矢諭氏に話を聞いた。
「中核3事業会社」を統合させる狙い
──大矢さんが凸版印刷(現TOPPANホールディングス)に就職した1996年ごろは、紙の印刷物の年間販売額がピークでした。以降、雑誌や単行本といった出版市場は縮小に転じて今日に至ります。現在、TOPPANの売り上げに占める紙の印刷物比率はどのくらいですか。
大矢諭氏(以下敬称略) ピーク時は半分超ありましたが、直近ではTOPPANグループ全体で15%を下回っています。当社は創業の1900年から「エルヘート凸版法」という独自の印刷技術をベースに、有価証券の印刷やパッケージ印刷などの分野に進出しました。そうした印刷テクノロジーを核に、現在は製版の技術を用いてエレクトロニクス分野にも進出するなど、多角的に事業を拡大してきました。
事業分野別の売上高構成比
──2年前の2023年10月に持ち株会社体制に移行し、傘下にTOPPAN、TOPPANデジタル、TOPPANエッジという中核3事業会社を置きました。その狙いは何ですか。






