レゾナック・ホールディングス 代表取締役社長CEO髙橋秀仁氏(撮影:榊水麗)

 近い将来、ゲームチェンジが起きる可能性がある──。半導体業界の今後についてそう語るのは、レゾナック・ホールディングス社長の髙橋秀仁氏だ。半導体材料の多くの製品で世界シェアトップのレゾナック。同社の事業環境はどう変わりつつあるのか。その中でどのような戦略を取るのか。高橋社長に話を聞いた。

注目する「次世代の半導体デザイン」とGAFAMの動向

――レゾナック・ホールディングス(以下レゾナック)は、半導体製造の後工程に使われる主要な15の材料のうち、10種類を扱っています。こうした事業を展開する中で、直近の半導体市場の動向をどう見ていますか。

髙橋秀仁氏(以下敬称略) いくつかの大きな流れに注目しています。一つは、半導体の「次世代のデザイン」が構想されていることです。一般的な半導体は、円盤のウエハーの上に四角いチップを並べる構造ですが、円と四角の組み合わせはどうしても無駄なスペースが出来てしまう。そこで、ウエハー部分を四角いパネルにしようという考えが出ています。

 もし実現すれば大きなゲームチェンジになるでしょう。なぜなら四角いパネルにする場合、どのような材料を使うのか、どのような配線や構造が適しているのか、どういった規格にするのか、まだ答えが出ておらず、従来のものから大きく変わる可能性があるからです。もし当社の得意な有機の材料が使われることになれば、私たちにとってチャンスとなります。