どんなに優れた製品・サービスを提供していても、営業が数字を追求し、数字をつくらなければ、安定した経営は成り立たない。個々の営業担当のスキルはもちろん大事だが、全メンバーをチームとして束ね、会社としての目標を確実に達成していくには、営業リーダーのマネジメントが極めて重要な意味を持つ。本連載では『なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(遠藤公護著/クロスメディア・パブリッシング発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。営業におけるKPIマネジメントの要諦とチームをまとめるリーダーシップの在り方を提示する。
第2回は、四半期の目標達成に向けた重要なステップである大型商談案件レビューのポイントについて詳説する。
大型商談案件レビュー
今期の目標達成に向けた重要なステップとして、大型商談案件レビューがあります。
まずはWeek1で担当営業とマネージャーが行い、Week2ではマネージャーが社長/営業責任者を交えて今期のゲームプランを共有し、認識を合わせます。そしてWeek3に実施されるのがこのレビューです。
多くの企業にとって四半期の目標達成は、この大型案件の受注にかかっていると言えるでしょう。まさに、企業の運命を左右すると言っても過言ではない、重要なレビュープロセスなのです。
■ 別フォーマットを用意しない
まず重要なのは、この案件レビューに関しても、現場への負荷を最小限に抑え、日々の営業オペレーションを最大限に活かすため、別フォーマットは用意せず、既存のSFA(営業支援ツール)を活用します。
大型商談レビューだからといって、社長や営業役員向けに特別な資料を作成することは、現場を圧迫するエゴに他なりません。
SFAには、顧客とのヒアリング項目を含む、案件管理に必要な情報が網羅されています。日々の営業活動で得られた情報をSFAに入力していれば、案件レビューはSFAの画面をそのまま投影するだけで十分です。